税務会計顧問とは

日々の会計や税務に関するご質問やご相談にお答えし、正確な経理データを作ること、事業の業績や財産の状況を正しく読みとること、そして、税務の判断を間違えないことなどを目標に、 経理処理のチェックを行い、必要な場合、経理の仕組み作りまで検討・指導します。また、月々の経理データをわかりやすくご説明することで、経営者のみなさまに今後の利益計画や節税、 経営に役立つヒントを提供することも重要な業務です。
日常の経理処理のチェックと適切な税務判断の積み重ねが、正確な決算書の作成と節税を含めた計画的な税務申告を可能とするのです。

*税務会計顧問としてのお手伝いは、通常、「顧問契約」という形で表現されています。

顧問契約とは…

簡単にまとめると次のようにも表現できます。

  • 過去 ··· すでに処理された経理と税務事項のチェックと確認
  • 未来 ··· 今後の目標に対する実績の予想と対策の検討
  • 現在 ··· 日々の疑問やご相談についての回答・説明

「過去」の処理が適切でない場合、あるいは適切であってもそれを正しく読み取れない場合、「未来」の予測は難しくなります。
経営者のみなさまの仕事は「未来の目標を実現すること」です。
ですから、わたしたちは、「そのための手段としての経理データ」をできるだけ戦略的に利用できるようサポートさせていただくのが大切な仕事だと考えています。

顧問契約の具体的な内容

経理・税務事項のチェックや日々のご相談といってもまだ抽象的かもしれません。
実際にどのような視点で業務が進められるかについて、以下でもう少し具体的にご説明します。


1.日々の経理処理の仕組み作りを考えます。

小さな会社や個人事業では、経理専門の担当者を採用することはコスト的にも大変なことです。そこで、社長やご家族、社員やパートさんが帳簿付けを始めるといった形も多くなります。
経理の経験や持っているノウハウは百人百様です。
そこで、大切なのは、事業の成長度や経理担当者のスキルに合った経理の仕組み作りということになります。

  • 現金出納帳の形をどのような形にするか
  • 預金通帳をそのまま出納帳代わりにできないか
  • 売上や仕入・経費などを集計しているエクセル資料がある場合、これを有効活用できないか
  • 領収書や請求書の整理はどのようにすべきか
  • 伝票会計を採用した方がよいか
  • 売掛金や買掛金の管理はどのようにするか
  • 会計ソフトについて独自の設定や入力方法を工夫することで、さらに有効活用ができないか

テーマはたくさんありますが、目標は、「できるだけ少ない手間とコストで必要な経理処理ができ、業績の管理にも役立つこと」です。
わたしたちは、日々の経理処理が経営にどのように役立っているかといった視点からチェックさせていただくことで、さまざまな改善のヒントを提案させていただいています。
昔から作っているけれど、何のために役立っているのかわからない資料、複数の人が二重で作ってしまっているような管理資料、こういうものはありませんか?

事業の内容は、日々進化しています。
経理の仕組み作りも同じで、常に新しい気持ちで見直してみるべきものなのです。

2.月々の経理処理を正確に行い、それが管理面でも有効活用できるようにします。

日々の経理処理が流れ始めたとしても、その経理データが月々有効活用できるレベルになければ意味がありません。

  • 経理処理が正確であるか
  • 経理処理は基準にのっとっているか、そして合法的であるか
  • 税務判断は適切であるか
  • 処理は適切な時期になされているか

現金や預金通帳の収支の集計だけでは、正確で合法的な決算にはならないのです。税金の計算のためには、さらに専門的な計算が必要となります。
経理担当者がかなりスキルの高い方であっても、会計基準や会社法の変更にはなかなか対応できません。経理に不慣れな方であれば、専門家によるチェックは必須となります。

また、少し難しい話になりますが、「経理」のデータ作りを工夫することで、それを取引の各口座や債権・債務の「管理」まで連動させることもできます。
もちろん「手間」と「効果」のバランスの判定も大切です。
「手間」をかけたくないために「管理」を忘れ、回収もれや二重払いをしながら気づかない、といったことは意外と多くありますので注意が必要です。

  • 預金口座別・借入口座別の管理は適切か
  • 売掛金や買掛金の未回収や払いもれ、二重請求などはないか
  • 源泉税の払いもれはないか
  • 固定資産の区分管理は適切か

このように日常的に必要な管理項目も、できるだけ効率よく経理の仕組みの中に取り込める方法を考えていかなければなりません。

 経理処理のよくある質問

3.月々の計算結果の読み方、今後の予想の仕方を説明します。

月々の処理が確定すると、「月次試算表」や「月次決算書」といった名前の書類が作成されますが、今度はその内容を理解する必要がでてきます。

  • もうかっているか
  • 財産や借金のバランスはどうなっているか
  • 利益や人件費のバランスはどうか
  • 資金繰りは大丈夫か
  • 同業と比べてどうか
  • 去年と比べてどうか

さまざまな視点から業績の説明をすることで、事業の実態をより良く理解することができ、どこに手を打つべきかといったヒントを感じていただくことになります。
また、月々の数値の推移や過去の実績を組み合わせてみると、今後の予測が可能となってきます。
資金対策や節税対策の基本はすべてこれらの作業にあります。
経理の知識がない方にもすっきりわかるようにお話できるかどうかが会計事務所の大切な役割です。

4.税金の種類や有利・不利、計算方法に関すること、個々の経理処理が税務署に認められるかどうかのチェックやその判断の説明をします。

会社や事業にかかる税金は、決算が確定しなければ計算できないものがほとんどですが、月々の税務項目のチェックと上記3.による予測を組み合わせることでかなりの確率で、納税額まで試算することが可能となります。

少なくとも決算が終わるまで納税額がまったくわからないといった、場当たりなやり方は避けなければなりませんし、計画的な経理をすることで節税が実現できることが多くあります。
たとえば、小さな会社や事業では、役員報酬や専従者給与を事前にどれだけ払うかを検討することが節税対策の基本となっていたりします。
ここでのポイントはやはり専門的な税務知識と先の読める経理が大事ということです。

 税務のチェックポイント


顧問契約の形はいろいろです。
契約時に打合せしましょう。あまりかた苦しく考えずに…。

  • 電話やメールのみのご質問
  • 訪問を希望される場合は、あらかじめご希望の時期や回数を打合せ、会社やご自宅に直接伺います。
  • 毎月の訪問、年2,3回の訪問、決算時だけの訪問の形もあります。

訪問回数を少なくすると顧問報酬もお安くすることができますが、適時なご指導という点では限界が生じることもご理解いただけたらと思います。
なお、わたしどもの事務所に来ていただくことももちろん歓迎しています。難しい会計専門用語もわかりやすく解説いたします。

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